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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页
磐司磐三郎の話
一
(10)タケ切れで作ったオシラサマは旧仙台領に多くある。
(11)この話はおもに土地の口碑と、それから東奥古伝という本で見た。この本は写本だがなかなかおもしろい話ばかりを集めている。
(12)『遠野古事記』という写本の第三巻、社寺縁起の巻にでもある話だろう。自分は古老から聞いた。
(13)この正法寺の伝説は非常に多く優に一冊の書物になろう。この分も民間伝承であるが、しかしこの寺から出ている正法寺誌はまったく別条のことが書かれてある。けれども私はこういう場合、たとい実録には合わずとも、正直な民間伝承のほうを採用する。
(14)奥州の文福茶釜は、江戸近くのものとは違って綱渡りなどの芸当はできなかったが、ばか正直に小僧たちなどの悪戯をしたから金綱で縛られた。こういう稚気満々なところを買ってください。
(15)この話は、江刺郡米里村の浅倉利蔵という人の話である。このほか本誌中にある江刺郡に関係したことはすべてこの人から聞いたものだ。
磐司磐三郎の話
一
山々の主、山々嶽々の支配者で、土地によってはあるいは神とまでなっている磐司磐三郎の話(1)は、先年柳田國男先生の著『神を助けた話』