轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とうおういぶん

東奥異聞

佐々木 喜善

「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页

青空文庫

いわく、ある説にいう人皇十二代景行天皇六十年十月、帝御悩ありて甚だし、ある者は諸寺諸山に祈祷あり医術を尽くすといえどもさらにそのしるしなし、ここに一覚といえる占い者があって彼を召して卜筮をなさしむるにいう、これより東にあたりて大木あり、その木の精霊帝を悩まし奉る。はやくその木を退治せられなば、御悩すみやかに平安ならんと奏す。ここによってその木を尋ねみるに、近江の国に一郡を蔽えるクリの木あり枝葉九里四方にはびこり、その木の囲み数十丈、これぞ尋ぬる木なるべしとて人夫を催し毎日これを伐らしむるに、夜になればその伐り屑合して元のごとくになっている。毎日伐りても右のとおりなので、ここにおいてまたかの一覚を召し出して相談をかけると一覚申すよう、伐るところの屑を毎日焼き捨てたならばかならず伐り尽くさん、われはこれ、かの木に敵対するカツラの精なり、数年彼と威を争うこと久し、その志いま帝にさし向かい奉るとて掻き消すようにその姿は失せにけり。そこで一覚が申すとおり木屑を焼き捨てやっと七十余日かかって、その木を伐り倒したので、かくて帝の御悩御平癒ましましければその樹の生いありし所を名づけて栗田郡と号しけるとなん。