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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

幕僚長が、趙のおしゃべりにたまりかねて、どしんと机を打った。

「あっしは……何も余計なことを……ただひどい目にあわされた仇討ちが出来るんで、うれしいんですよ、へっへっへ」

趙は、あわてていいわけした。

「まあいいさ、趙の手柄でないこともなかろう……ところで、どのへんでやることにするかね?」

司令官が重々しい口調でいった。

「それです……こんどは大事をとって、潜水艦の力にばかり頼らずに、水中電気砲や、爆雷や、出来得れば飛行機、戦闘機と爆撃機ですな、それを総動員して一挙に撃砕したい、というのが小官たちの考えです」

幕僚長がいった。

「小官たちも幕僚長殿の御意見に賛成です」

三人の参謀将校の中の一人がいった。

「爆撃機は間に合うまい」

「その点を僕も心配しているんです、あの島の設備が完成していたら絶好の機会ですがねえ」

技師長がいった。

「すると、君はこの計画に自信が持てないというのか」

若い参謀将校が技師長にくってかかった。

「いや、そんな問題じゃない、僕も攻撃の方法については君たちと全くおなじ意見だ、ただ技術者として、工事が予定どおり進まなかったことをすまなく思っているのだ」