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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

「貴様らがへまをやるからだ、そのために日本の警戒が厳重になって、材料の運搬がおくれてしまったじゃないか」

幕僚長が、趙をにらみつけた。

「まあそうがみがみいわねえで下さいよ、あっしの仲間だって、一生懸命なんですぜ、このニュースだってあっしの仲間がつかんで来たんですからね」

幕僚長は顔をしかめたが、こんどはだまっていた。

そこへ、機械人間が、お盆にのせた熱い紅茶をはこんで来て、机の上においた。司令官は紅茶の茶碗をとりあげながら、

「幕僚長にきくが、爆撃機を使わずに、殲滅することが出来ないだろうか、爆撃機の代りに潜水艦を総動員して魚形水雷で不意打ちに一撃をくらわしてから、水中電気砲でとどめを刺す――この戦法はどうだ」

「司令官、それは名案です、それで御決定願いましょう」

司令官が何かいおうとした時、扉をノックする音が聞えた。

「入れ――」

一人の士官が入って来た。

「Y一〇三号ボートはもどりましたが、ジョンソン大尉殿の一行が帰られません、どういたしましょうか」

「なに、ボートだけもどってジョンソン大尉が帰らん、それはおかしい」

司令官は幕僚長と顔を見あわした。

「ボートに故障はないのかね?」