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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
「この人は誰です?」
そうだ、祥子が、こんなところにいるとは、宮崎運転士には意外なことに違いない。
英夫は手短かに祥子の説明をした。
「船長が呼んでいるといって僕をおびき出したこいつの様子がへんだから、気をつけていると、いきなり五、六人の悪党どもが僕を袋叩きにしようとするんです。なあに、あべこべに叩き伏せてやりましたがね、しかしこいつはただ事でないと思ったから、こんな大時化で猫の手も借りたいような時だが、とりあえず船長に急を知らせて、それから大急ぎでやって来たんですよ、しかしこいつらが先廻りしているとは思わなかったし、ここでこんな事件がおこっていようとは夢にも思わなかった」
「それどころじゃない、宮崎さん、すぐ片づけてもらわなければならないものがあるんです……まだ一時間やそこらは大丈夫でしょうが」
「英夫さんが時計爆弾を見つけたんですの」
祥子がいった。
「えっ! そりゃあ大へんだ。すぐ処分しましょう……船長も来るはずですから、こいつらは誰かにふん縛ってもらって、後でゆっくり調べればいい」
「趙も生きているんですか?」
「足をねらっただけですよ、すっかり泥をはかせなくっちゃあ安心出来ませんからね」