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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

二人は足音をしのばして、さっきの乗組員たちが上って行った時に見当をつけておいた階段を上って行った。

階段は、幅が一メートルほどもあり、格納庫のまん中あたりから、螺旋形に上って行くようになっていた。

二階は発電所と、製作工場になっているらしく、巨大な発電機のぶんぶん唸っている工場の一方には、赤や青の電灯のついたさまざまな工作機械や、いく十本ものベルトが、大工場の内部のような複雑なかげを見せていた。しかし今は休んでいた。

「何を作るところでしょう」

祥子が囁いた。

「ここで使うものをみんな作ってるんじゃないのかな、海の中だから、簡単にほかから運んで来られないからね」

例の機械人間が、ここでも警戒していた。二人は、それに出くわさないように、見つかりそうになると、すばやく物蔭に隠れた。

それでも、万一の用意に、一本の釘だけは手に握りしめていた。

工場から上へ出ると、階段を中心に、いくつもの廊下がわかれていて、要塞員の寝ているらしい部屋や、食堂や、楽器のおいてある、ダンスホールのような部屋、図書室、娯楽室、機械人間や、食糧のしまってある部屋があった。

「いつの間にこんなものを作ったんでしょう、とても大仕掛なものね」