후리가나로 읽는 일본 고전
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
新渡戸 稲造의 自警録(じけいろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 168,224자 · 328화면
余の友人にも同じ経験がある
伊藤公が先生に叱られたその瞬間に起こった一時の感情が同公をして政治家たらしめたかと質せば、その時始めて「寝耳に水」のごとくこの教訓が公の耳朶を打ったとは思われぬ。また松陰先生にしても誰にでもこの筆法をもって鞭撻されたとも思われぬ。日ごろ先生が公に見るところあり、この機に乗じて一針を加えたにすぎぬ。また伊藤公にとりてはこの一言を含味しうるだけの素養がすでに胸中にあったから、その決心は一時の感情のごとく見えながら、しかもその実、数年来胸中にしらずに蘊蓄された熟慮を引き出させたのである。
余の友人にも同じ経験がある
しかしこれは独り伊藤公のみでない。ときどき凡人の間においてもまた同様である。僕の友人にもまたこれを証明すべき適切の事例があるから、ここにこれを挙示したい。
彼は青年時代、学校にあるやいずれの学科も人並にできたためにかえって職業の選択に大いに迷った。ある時は実業家にならんと考えたこともあるが、子供のときには政治家になる望みがもっとも強かった。そののち世の中の腐敗を聞き宗教家にならんとまで考え込んだことあり、また学者となって身を立てようという考えを起こしたこともある。