轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

この人はあたしのいとこだって」

栄二は口をあいてさぶを見た。

「そうなんだ、この人はあたしのいとこだってさ」さぶはそこでたるんだように笑った、「おらあ口がきけなかった」

栄二にはその場のありさまが眼に見えるように思えた。しっかりした、そして頭の切れる娘だ。けれどもそれだけではない、引越して来たさぶを見たときすぐに、この人なら頼みになる、と思ったに相違ない。それは頭が切れるというのとはまったくべつな、女の本能的な直感であろう。五つのとしから十年以上も、貧しさと世間の非情に揉まれてきて、初めて、頼みになる人だという相手にめぐりあったのだ。――さぶを見たときのあの吃驚したような、大きくみはった眼や、そのあとの話しぶりなどにそのことがあらわれていた。あの娘は店賃を払ってもらうという、ずる賢さだけではなく、本能的に、自分の一生を任せてもいい人、ということを感じていたのに違いない。そうでないとしたら、麹町の本家で男の恐ろしさをいやというほど経験したのに、さぶにだけそんな向う見ずなことができる筈はない、と栄二は思った。

「幾たび聞いても」とさぶは話していた、「あの身の上ばなしは面白いんだ、話が面白いというよりも、話しぶりが面白いのかな、うん、あのとおりまだ子供だろ、栄ちゃん、まだねんねえのくせにおとなっぽい話をするんだ、