轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
「週刊朝日」1942(昭和17)年1月4日号~5月24日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 页
お見うけするに、御両所はいずれも五尺五寸はおありらしい。それがしより勝ることそもそも何尺。おふたりを合せても、失礼ながら生涯に、それがしほど御奉公をなし得るや否や。剣は三尺に足らずといえども物干し竿より勝りましょう。お館には勿体ないものに美々しい衣裳を着せてお用いではある」
耐えきれなくなったとみえる。襖の内で信玄が笑ってしまったのだ。さすが卑屈でない。呵々と高笑しながら、
「大炊。襖をひらけ」
と、命じ、
「上杉どのの使者か。斎藤下野というか。なかなかおもしろいことをいう。むかし淳于は斉王の命をうけて、楚国に使いし、その途中、楚王に贈る鵞鳥を焼いて食べてしまいながら、空籠を奉じて楚王にまみえ、詭弁をふるってかえって王をよろこばせ、斉王は廉直な臣をもって倖せであると感心させたとかいう。――その方はあの淳于※(「髟/几」、第4水準2-93-19)にも似たる男よ。上杉家において、禄はいかほど貰っておるか」
と、早速、信玄も打解けて、話しかけた。
下野は、遥かへさがって、拝礼をしながら、
「六百貫をいただいております」
と、謹んで答えた。
信玄は、聞いて、
「過分なくれようかな。