轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
沈黙の二人
紅毛人がね。全身ビッショリ水ぬれです。見るとだいているじゃアありませんか、綺麗なお稚子さんをね。それが非常に妙なんです。眠っているのか死んでいるのか、そのお稚子さんは動かないのです。眼口を閉じているのです。そうしてその顔を紅毛人が、じっと見おろしているのですね。もっとももう一つその二人を、見おろしているものがありました。まんまるい空のお月様です。とどうでしょう、紅毛人は布を下げたような滝の中へ、またはいって行ったじゃアありませんか。ええそうです、お稚子さんを抱いてね」
杣夫の語った物語。
さてある日のことである。
その木地師の郷の中から、活気ある喜びの声がもれた。旅へ出ていた仲間の者が、頭の将右衛門に率いられ、郷へ帰って来たからである。
その翌日のことである。秋の木洩れ陽をいっぱいに浴び、黄ばんだ草を敷きながら、話し合っている男女があった。
沈黙の二人
秋の木洩れ陽をいっぱいに浴び、坐っているのはお京と広太郎、のどかに話をかわしている。
「よい秋日和でございます」こういったのはお京である。
「もうソロソロ八ヶ岳の峰へは、雪が来ることでございましょう」袴広太郎の挨拶である。