轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

闇討ち

さあさあどうぞお上がんなすって」

取り次ぎの者がこういった時、はき物をぬぐのももどかしく、広太郎は座敷へ飛び上がった。

店を通ると廊下であり、その突き当たりに別棟があり、そこの扉が開いた時、広太郎思わず「これは?」といった。南蛮屋の部屋の様が、広太郎の眼を驚かせたのである。

見知らぬ訪問者を怒ったかのように、スペイン猫が背を持ち上げ、ガリガリとつめをといだのも、金属性のなき声を、籠の中で鸚鵡が立てたのも、広太郎を少なからず驚かせた。しかしもちろんそれ以上、ひとみの色と皮膚の色とが、異国人種の伝統を伝え、その他は日本人と変わりがない、妖艶な混血の若い女が、部屋の中央に立っていたのは、広太郎にとっては驚異であった。

「花ちゃん花ちゃん、だまっておいで」

イスラエルのお町はいったものである。すると鸚鵡がなきやんだ。

「ネロやネロや、あっちへおいで」

すると猫が立ち去った。

「お掛けなさりませ、袴様、……妾がお町でございます」

底力のある銀声! と、くちびるがほころびた。柘榴色をした真紅のくちびる! その間からのぞいたのは、磁器のように艶のある真っ白の歯! ムッと感じられる肌のにおい! だが室の中を充たしているのは、芳しい蘭のかおりである。