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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

千代田城図面

「かれの持って来た財産のたかは?」

「は」といったがわからなかった。

「わからないかな、そうかもしれない。絶対秘密になっているんだからなあ。が、伝説による時は、ザビエルの持って来たその財産、日本の国なら二つも買える! そんなにも莫大なものだったそうだ。そいつへ眼をつけたというのさ。感心な悪党の信長がな。……多比良多比良!」と声をかけた。

千代田城図面

多比良と呼ばれた五十歳ぐらいの武士、

「は!」といったものの尻込みをした。答えそこなって、以後注意、落第だよ。出世しまい! などといわれるのがこわかったからだ。

天草時行一向平気、そんな様子には気がつかないらしい。

「大ばくち打ちの信長が、南蛮寺を建てたのはいつだったかな?」

「さようで」といったが知らなかった。「失念致しましてございます」

「よろしい、満点、その方がいい。無駄な年号なんか覚えているより、そろばんはじきを習う方がいい。満点ついでにもう一つ聞こう。なぜ南蛮寺を建立したかな?」

「は、やっぱり紅毛人の、ご機嫌を取るためでございましょう」

「百二十点! 感心感心。お前むやみといい点を取るなあ。ではもう一つ質問しよう。