轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
二
もう体もしっかりしたので、今朝は早く出立する心算で起きぬけたところであった。
「へへへへ何ね、道場というほどでもございませんが、剣術好きの村の若い衆が寄って、叩き合いをやってるのでがす」
「それはなかなか熾んなことじゃの、して誰か師範をする武芸者があるのか」
「へい、村のご浪人で高島十太夫という関口流の先生が手を取って教えています。如何でございます、お武家さまも一つご見物なすっちゃあ」
「面白かろう、ぜひ案内を頼む」
と新九郎は儀助に従いて来てみると、かなりの空地に砂場を作って、えい、や、とうの掛け声さかんに竹刀木剣思い思いに闘わせていた。
するとその中でしきりに、打て、踏み込め、外せと大声で指揮していた高島十太夫という浪人が新九郎の姿を見てつかつか歩み寄って、
「卒爾でござるが、ご修行者とお見受けしてお願い申す、かく自流ばかりでは一同上達も致しませぬ。ご無心ながら皆の者へ一手ずつのご指南を仰ぎたいものでござる」
という言葉。
「これは、なかなか他人様へ、指南などおつけするほどの腕前ではござらぬ。平にご用捨を」
と新九郎は率直に断ったが、十太夫は謙遜とばかりとって容易にきき入れない。