轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
毒婦笑い恋の投げ槍
一
「世迷い言は無用だ。いざ! 来い」
「むッ、下郎覚悟ッ」
さっと立ち上がる途端に、戸川志摩の左手からカラリと鞘が抜き捨てられるや、右手はそれより早く流星の尾を曳いてキラリと一閃、敵の真眉間のぞんで切っさき下りに斬りつけた――時すでに大月玄蕃も手馴れの鬼丸三尺の剛刀は抜く手も見せず、発矢と右脇へ受け払って来た――
刃金の冴え音、剣の火花――新九郎は我を忘れて身をにじりだした。
毒婦笑い恋の投げ槍
一
お延は立膝の前へ、鏡台を引き寄せた。
風に吹かれた洗い髪の、さわさわとしたのを両手でたくしあげて、無造作な兵庫くずしに束ねた根元を南京渡りの翡翠で止めた。そして、臙脂皿を唇へ摺ると、お鉄漿光りの歯の前に、年増ざかりの肉感の灯が赤く点されたように見えた。
「こうして見れば私だって、まだ満更捨てた年じゃないもの……考えると馬鹿馬鹿しい、何だか急にこんな山の中で年をとるのが嫌になって来たよ……」
お延はこう呟いて鏡台を向うへ押しやった。――いまの境遇は、この蘭谷の豪族、雨龍太郎の妾として、贅沢三昧、姐御姐御と多くの配下に立てられているのだけれど、何と云っても斑鳩嶽の山奥の単調さは免れない。