轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
五
「しかし、随分ともご用意あって参らぬと、尋常の武芸者と違って、怖ろしい荒業を致すという噂でござりますぞ」
と十太夫は特に注意した。
「いや、左様な変った武術者に会うも、修行の一つ、必ずご懸念下さるまい……では拙者はこれにて発足致す。儀助殿、十太夫殿、またご縁もあらばお目にかかり申す」
「随分ご出精をお祈り致しまする」
「じゃ旦那様、これでお別れでがすか……」
と儀助は物淋しそうであった。
一同は春日重蔵の舎弟の若先生と聞いて、俄かに敬意を表して、高島十太夫と儀助を先頭にして、村端れまで新九郎の壮図を見送って行った。
五
青い藺笠に夏の陽を除けて、春日新九郎が園部の町に入ったのは、その日も日暮れ近かったが、彼は疲れも厭わずすぐその足で、修験者覚明の道場を尋ねて来た。
来て見ると、彼はまずその広大な構えに驚かされた。正面袖門つきの入口には欅尺二の板に墨黒々と「天下無敵大円鏡智流刀杖指南、役の優婆塞聖護院印可覚明」とあり、その傍には、(命惜しき者は試合望むべからず)と書き流されてある。一方道場と覚しき一棟は、腰瓦に白壁の塗籠造りに武者窓が切ってあった。
新九郎はその前へ来て、ちょっと立ち竦んでしまった。