轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
「いつも事々に世話をやかせて気の毒じゃのう。これからはちと慎みましょうわい。ホホホホホ。のう新九郎様、ちょうどよい駕が明いてある。これへ乗ってとにかく今宵は妾の寮へお越し遊ばすがようござります」
「でもそれは……」
彼は遠慮ともつかずただ一応だけの生返辞をしたが、内心では、すくなからず御方の振舞に好奇心を抱き、この女に近寄って、この女の本体の相を見極めたいような気持もしていた。御方はその辺の否みに取合わず、
「と仰っしゃっても、一度は嫌でもお越し遊ばさねばなるまいが。それいつか、妾の愛刀をお身様に渡し、新九郎様の来国俊を妾が預って置いた。あれも、疾くに研師から手入れができて届いておりますわいの。あ、もし小田切さま、とにかく妾はこれにて駕をいただきますゆえ、そちらもどうぞ自由に引き取って賜りますよう……」
「ではご免を――」
与力の小田切千助が、それを機に馬へ移ると、同心捕方の面々も、今召捕った四、五人を引ッ立って、意気揚々と引き上げだした。すると、それを一目見た新九郎が、
「あッ」
と叫んで、捕手の列に向って走り出そうとすると、御方の手は素早く袂を掴んで、