轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
「ははッ、さまでにお心を煩わせまするは玄蕃の不徳、しかし馬術と事違って剣法では、不肖といえども指南番の名を汚す玄蕃めが、身命を賭しても敗はとらぬ所存でござりまする」
「よく申した。其方のことであれば余も大丈夫とは思うているが、実は出石藩の仙石殿より余に密使が参っているのじゃ――玄蕃、近う寄れ」
と丹後守はさしまねいておいて一段と声を落とした。
「他でもないが、近頃仙石殿の客分となって滞在している者は、稀代の名人であるそうじゃ、万一福知山方にも、如何なる達人が潜んでいぬとは限らぬゆえ、其方の後ろ楯に助勢致させようかと、折入って仙石殿からのご好意、聘び寄せたものであろうかどうじゃ」
と云った。玄蕃はそれを聞くと、持前の自負心がこみあげて、己れの腕を侮られたかにむっとしたので、
「怖れながら、諸国を歩く浪人輩にろくな腕の者はござりませぬ。殊に多寡が小藩の家中を怖れたかにもなって出石藩の聞こえも如何と存じますゆえ、まず今日の試合は拙者めに万事お任せ下されば忝けのう存じまする」
と云いきった。
「左様か、では任すぞよ」
と賢明な丹後守は、特にこう云って、玄蕃の覚悟を固めさせたのだ。