轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
その結果は心得ある者の眼には想像に難くなかった。福知山方の面々は俄かに喜色を漲らせ思わず浮腰になって伸び上がる者もあり、殊に正面の松平忠房は、初めて愁眉を開いた顔を傍らの正木作左衛門に向けて意味深長に北叟笑んだのであった。――それにひき代えて暗澹たる不安に襲われて、一抹の愁雲に覆われてしまった宮津藩は、有頂天の歓喜から奈落の底へ突き墜とされたように鬱ぎきってしまった。
「典膳、典膳ッ」
と疳走った声で近侍を顧みたのは宮津の太守丹後守であった。
「は、はッ……」
と目付役犬上典膳は、試合の方に目を奪われたまま、唇を噛んだ丹後守の傍へ摺り寄ったが、京極丹後守はまだ気づかず、
「犬上典膳――」
とまた呼んだ。
「ははッ、典膳めは御前にござります」
「勝負は何と見る? あれ見よ、玄蕃の面色は変ってある、お! 春日重蔵とやらの乱れぬ太刀筋を見い」
「は、何とも無念に見受けまする」
「どうじゃ勝負は?」
丹後守は歯ぎしり噛む。
「は……」
典膳はその気色に憚って答え兼ねた。
「呆痴者めが! この勝負が予断できぬか、白石十太夫を呼べッ、疾く呼べ!」
と焦れ声はあたりに高く響いたので、すぐ辷り出た老臣が、