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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

爆破成功!

「ひえっ!」

と、一と声悲鳴をあげて、そのまま目をまわして床にぶっ倒れた。

二人は、爆雷室に向って急いだ。

爆破成功!

螺旋形の階段の手すりを、滑り台のように滑って、二人は一気に潜水艦の格納庫に降り立った。

首尾よく爆雷にとりつけた火縄に点火をおわったのだ。

だん! と近くでピストルが鳴った。つづいて、だん、だん……とつづけさまに追撃して来た。――Y一〇三号ボートにとび乗って、前進ボタンを押した瞬間だった。

爆雷室のある四階から一階まで、そしてボートにとび乗るまで、ほんの二、三分間の出来事だった。

三階と、二階の製作工場に立ち働いていた者も、途中の階段ですれ違った者も、二人の見なれない、少年と少女に気がついたらしかったが、何のことやらわからずに、ぼんやり見送っていた。階段ですれ違った年輩の要塞員などは、こんなところにいるはずもない要塞員の誰かの家族とでも勘違したらしく、にこにこ笑いながら見送っていたくらいだった。

完全に敵の虚をついたのだ。痛快な戦術だった。

二人がボートにとび乗ろうとしたのを見て、はじめてそれと気づいたらしく、要塞員の一人がいきなりピストルを浴せた。