轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
面白くないという態度である。だがまたすぐにいいつづけた。「そうして、さよう、宝のあり場所、見当がついたのでございますよ。というのは二の丸と三の丸、その境い目の濠の一所に、変な印がありましたのでな。それは」と空へ手をあげた。
「こういう井げたの印でござる」指で井げたの図を書いた。
「つまり空井戸と見なすべきで。あるべからざるそんなところに、空井戸があると仮定すると、宝のあり場所と睨んでも、見当違いとはいわれますまい。で、あり場所はわかったが、そいつをたしかめる手段がない。場所は千代田城、われらは浪人、忍び込むことは出来ませんからなあ。では困ったかと申しますに、それにはそれの手段があり、困らなかったのでございますよ。というのは紀州大納言様の、お手を拝借したのでござる。紀州大納言様すぐ承知! なぜかというに由井殿とは、懇密の中で兵学の門下! そこで早速ご登城なされ、濠のあたりを探られたところ、アッハハハ将右衛門殿、空井戸はなかったのでございますよ。自然宝のあり場所もなくなってしまったのでございますよ。すなわち巻軸にまつわっていた、おとぎ話的伝説は、文字通りおとぎ話的伝説となり、ここに一場の夢物語、サラリと幕を閉じにけり。