轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
蓆一重にからくりがあるとは夢にも知らず、間もなくお延に連れられてきた重蔵と千浪は、すすめられた楽屋の空箱に腰を据えて、投げ槍小六とピッタリ向い合った。
「拙者が浪人西塔小六と申す者、即ちお恥しいがこの掛小屋の主でござる。してご用向きとは」
襷、股立ちを外して、小六も言葉から改まった。
「初めて御意を得ます。またお忙しい中をご迷惑なるお願い立て、おゆるしおき下されたい」
と二人は同時に、軽く頭を下げたが、後は重蔵一人が辞をついで、
「宗法でござれば天蓋はご免こうむります。これなるは京都寄竹派の普化僧竹枝と申す者、また某は同宗の月巣と呼ぶ者でござります」
「ご丁寧なご会釈、どうぞそのまま」
「表の者からもお忙しいと承わったに依り、早速お願いの筋を申し入れるが、実は、この幕の正面に貼り出されている目録のうち、大月玄蕃と申す者の名が見えましたが」
「おおあの大月氏のことですか」
「左様でござる。まことはその玄蕃を尋ね歩いているわれわれ両名、目録の名を一目見るより躍り立ったほどでござります。その者の住居ご存じなればどうか教えていただきたい。厚かましゅうはござるが武士のお情け、かくの通りお願い申しまする」