轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
新九郎の抱いていたすべての疑惑はこれで氷解した。
が――まだ一つ残っているものがある。それは離亭に匿われている修験武芸者の覚明である。あれと御方とはどういう関係なのだろうか? それを問い訊して行くと、さすがの御方もややろうばいの態を見せたけれど、すぐ妖艶な笑みにその色を隠してしまった。
「ではお前様は、いつかあの男のいるのを垣のぞきなされてじゃな」
「いかにも見受けました。彼奴こそ、大円鏡智流の戒刀を使う聖護院の覚明と申すやつ」
と新九郎もきッぱり云って御方の瞳をみつめた。
「や、どうしてそれまでのことをお知りなされているのじゃ」
「いや、それより御方と何のご縁故でござるか、まずもって先に承り申そう」
彼も容易に糾問の緒口を逃がさなかった。御方は新九郎がやや嫉妬めいて、ここまで口を衝いて来たのを、思う壺まで手繰り得たものとして、
「どこまでそれをお知り遊ばしたいのでございますか?」
と澄んだる水の如く云った。
「おお知らいでは都合の悪いことでござるゆえ」
「それは?」
「彼奴へ果し合いを申し込む所存!」
と新九郎は早口に、彼のため忘るべからざる辱しめを受けている仔細を話し、