轻松读懂日语经典作品
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
「キング」大日本雄辯會講談社、1925(大正14)年1月号~1926(大正15)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 243,807 字 · 482 页
江戸表へ帰り着くと、千浪はすぐ愛宕の下屋敷へ戻って、松平忠房にありのままを物語り、やがて来るべき日の手筈は、御方の方からすべて打ち合せて来る筈だと言った。
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彩画をほどこした銀泥の襖、調度の物の絢爛さ、いま大奥の一間に囁き合っているのは、家綱の寵妾お通の方と、一人は久しく見えなかった姉の光子の御方だった。
「さあ、他ならぬ姉上様のお願いでござりますが……」
と、お通の方はさし俯向いて当惑の色がある。
「大奥の者が、ご政道向きに口を出すことは、上様のきついご禁物でござりますから、そのようなことはお耳に入れてみてもどうかと存じまする」
「いえ、決してご政道に触れることではありませぬ。かえって松平家と京極家との永い確執を解くよい折ともなりましょう。のうお通さま、わがまま者の姉が一生一度の頼みと思うて賜も……」
「それ程までに仰っしゃるなら、女の力でどうなるか存じませぬが、今日にも、吹上のお数寄屋へお越しの節、そッと上様のお気色を伺ってみましょうわい」
――こんな密かな大奥の力が働きかけたためか否か、それから間もなく、大府師範の小野忠雄が家綱に召され、また老中秋元喬朝にそれとなく京極家の噂があったりした。