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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页
が生命拾いをしているということになっております。このほかにも所々に(4)じつに金坑のあり、またかつてあったといわれる所には同様の口碑のない所がないといってもよいくらいにふだんにある話でございます。同じ話をいちいち列挙するのもくだくだしいから、地名だけを註記のほうに記しておくことにいたします。
(1)盛岡地方にもこの口碑があるとみえて、同地の金山踊りの唄に左のようなものがあります。「金のウシの錦の手綱おらも曳きたい、ハアカラメテカラメテ、シッカリカラメテ、掘った手綱はうっかり放すな」というのや、また本話の小松長者の黄金のウシを曳くときに歌わせたのは、「金のウシこに錦の手綱、おらも曳きたい曳かせたい」といったと言います。
(2)ウソトキ、オソトキについては、これもあとで誰かの解釈でしょうが、この男はあまり正直者で、御飯をきちんと正確な時間にしか出さなかったので、鉱夫どもは逆に偽時だといって諷したとも言い、またこの男は時を知らす役目であったが、あまり正確に時間を守るのでみんなからそう逆諷されたとも言います。これはどこの金山の口碑でもこの助かり役の者をオソトキ、ウソトキということであることに注意を願います。