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とうおういぶん

東奥異聞

佐々木 喜善

「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页

青空文庫

さあればヒョットコの本来は、前にもいったようにやはり竈男であり、火男であり、同様に種蒔き男であったといっても、一面の真ははずれまい。

(1)ウントク、ウントコ、あるいはヨケナイという語が元来なんの意味か解せぬが、前語なら、ものを持ち上げるときその他の一つの掛け声である。当方には、かの、ばか聟話のうちに、ウントコ食いたい、というような滑稽な話もある。ウントコワラシの梗概をいうと、ある所に爺婆があり、爺は山に柴刈っていると、すぐ傍らの淵の水が、いかにもおもしろく、くるくる回るので、柴を一束入れてみた。すると柴はくるくると回りながら、すうと水のなかにはいっていった。それがおもしろいので、爺はまた一束入れてみたがやはり同様である。そこでまた一束また一束と思ううちに、三月がほど刈り溜めた柴をみなその淵に入れてしまった。そのとき、淵のなかから美しい女が出てきて、柴を多くもらった礼を述べ、ぜひわが家にきてくれという。爺は驚いて、おれがどうして水のなかなどにはいれるかというと、女はなにそんなことはわけがない。妾におぶさって目を瞑っておればよいという。それから淵のなかの館にいって多く御馳走になり、一人の醜い童をむりじいにもらってくるのが、前述のヒョウトク話と同様であるが、ただこの話では、爺が淵の娘におぶさって、淵へいくとき