轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とうおういぶん

東奥異聞

佐々木 喜善

「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页

青空文庫

汝はすこしの小力を自慢して、秋祭り小相撲などをとっているが、そんな小さな料簡では所詮だめ、真の大力をほしくば夜ひそかにわが太平山に来たり籠もれよと、声朗らかにいわれます。これこそわが郷土に名高き三吉神だと思うと、大八はそのまま地上にひれ伏しておりましたが、童子の姿は忽然として、そのまま掻き消すように消えうせてしまいました。

それから大八は深夜太平山に分け登り、三吉神社の籠り堂に七日七夜の間籠もっておりました。おりから冬の真ん中のことで大八は真っ裸で参籠したのだといわれております。そこで大八は七日七夜、祈念しておりましたが、やがて満願の夜となりましてもべつだんの験もありません。さすがに胸に疑念もわだかまりいまさらのように身を切られるような寒気も全身にこたえ出してきた頃合いに、ひょっこりとどこからきたともなく一人の齢若い女が胸に赤子を抱いてきたり、神前にぬかずいて一心に拝み出しましたのです。

大八はそれを、どこの女人かこの酷寒の真夜中にと思って、つくづくと見ておりますと、女は立ってきて、この子どもをちょっと抱いていてくれという、心よくその赤子を受けて大八は抱いてやると、女はそのまま小用でもたしに出ていったのかそれっきりなかなか帰ってきてくれませぬ。