輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

彼が、そういう不徳を敢てして出た以上、もう、手を拱いている必要はない。――咄嗟に、その気持が一致して、行動へ移って行ったのである。

「うっ――」

「うごくな」

小次郎へ向って、すべてが、どっと駈け雪崩れた。小次郎は、鵜が飛ぶように、身の位置をかえていた。巨きな棗の樹が平庭の一方にあった。その幹の陰から姿をなかば見せて、おそろしくよく動く眼をぎらぎらさせながら呶鳴った。

「勝負。見たか」

――俺が勝ったぞという名乗りをあげたつもりであろう。忠明は彼方で、

「見えた」

と、答えた。そして門人達へ向い、

「ひかえろ」

と、叱った。

刀を鞘におさめて、書斎の縁へもどると、彼は腰かけて、

「お光」

と、姪を呼び、

「もとどりを結げてくれい」

と、ぱらぱらになった髪の毛を撫で上げていた。

お光に髪を上げさせているうちに、初めてほんとの喘ぎが出て来たらしく、忠明の胸は、汗に光っていた。

「ざっとでよい」

そして、お光を、肩越しに見て、

「あちらにいるお若い客へ、おすすぎを上げて、元の座敷へ、お上げ申しておけ」

「はい」

忠明はしかし――その客間へは通らなかった。草履を穿いて、門人たちの面を見まわし、