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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
六
武蔵は、広間の一隅にある純白な六曲屏風に眼をとめた。やがてこの伝奏屋敷の溜りの小侍を呼び、酒井どのの仰せにまかせて一筆余技をのこして参りたいゆえ、もっとも佳い墨と、古い朱と、少量の青い顔料とをお貸し下げねがいたいといった。
六
子どもの頃は誰でも画を描く。画を描くのは、歌をうたうも同じだ。それが大人になるときまってみな描けなくなる。生半可な智恵や目が邪げるからである。
武蔵も、幼少の時は、よく画を描いた。環境の淋しかった彼は、特に画が好きだった。
だがその画も、十三、四から二十歳過ぎまでの間は、ほとんど忘れていた。――その後、諸国を修行中、多くは宿泊する寺院で、或る時は貴顕の邸宅で――しばしば、床の間の軸や壁画に接する機会が多くなり、描かないまでも、また、興味を持つようになった。
いつだったか。
本阿弥光悦の家で見た梁楷の栗鼠に落栗の図を観――その粗朴なうちに持つ王者の気品と、墨の深さを、いつまでも忘れなかったりしたこともある。
多分、あの頃からであったろう。彼がふたたび画に眼をひらき出したのは。
北宋、南宋の稀品。また、東山殿あたりからの名匠の邦画。