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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
七
「これが一つの希望」
と、治郎右衛門忠明は、弟子一同へ告げるのだった。
――弟子の中の伊藤孫兵衛は甥にあたる者ゆえ、一子忠也の後見をたのむ。幕府へは、その由を願い出で、自分のことは、出家遁世と届けておいてもらいたい。
「これが二つの頼みである」
といった。
次に、この機会に、いい渡しておくこととして、
「わしは、若輩の佐々木殿に負けたということを、そう恨みには思わぬ。しかし、彼の如き新進が他から出ているのに、まだ小野の道場から一名の駿足も出ておらぬということは、ふかく恥じる。――これというのも、わが門下には、御譜代の幕士が多く、ややもすると、御威勢について思い上がり、いささかの修行をもって、すぐ無敵一刀流などと誇称して、よい気になっているせいと思う」
「あいや、先生。お言葉中にはござりますが、決して、われわれとても、そのような驕慢怠惰にのみ日を暮しているわけでは――」
と、亀井兵助が、その時、声ふるわせて、弟子の座からいうと、
「だまれ」
と、忠明は、彼の顔を睨まえて師の座から一言に圧して、
「弟子の怠りは、師の怠りである。わしはわし自身を慚愧して、自ら裁いておるのだ。