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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

大日

一

臆病な芋掘りだなあ。おらが抜いてやろうか」

手を出しかけると、

「いけないいけない。折れちまうよ」

と、伊織は拒んで、折角八分ぐらいまで掘り下げた穴へ、まわりの土を足で寄せ落し、元のように埋けてしまった。

「あばよ!」

丑之助は、掘り採った自分の芋を、自慢して肩へ担いだ。だが、その芋の先は完全でなかった。折れ口が白い乳を出していた。

「丑之助。負けたな。――打ち合ではそちが勝ったそうだが、芋掘りではそちの負けだぞ」

兵庫は、彼の頭を、ぐいと抑した。伸び過ぎる麦の育ちを踏んでやるように――ぐいと首根を抑していった。

大日

一

吉野の桜も褪せたろう。道の辺の薊も咲きほうけて、歩くには少し汗ばむほどだが、牛の糞の乾くにおいにも、寧楽のむかしや、流転の址が偲ばれたりして、歩き飽かないこの辺りの道だった。

「おじさん。おじさん……」

伊織はうしろを振向いて、権之助の袖を引きながら、頻りと気にかけて、

「また、尾いて来たよ。ゆうべの山伏が」

と、ささやいた。

権之助は、わざと、彼の注意に従わず、真っ直に向いたまま、

「見るな、見るな。――知らん顔をしておれ」

「だって、変だよ」