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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

八

「兵法の道を穿きちがえているゆえに、覚えがないと思うのであろう。――他日よく、胸に手を当てて考えてみれば分ってくる」

「仰っしゃって下さい! 仰っしゃって下さい! 仰せなくば、寅之助、この席を去るわけには参りません」

昂ぶった顔に、青すじを太らせて、彼はまたいい猛った。

八

「――然らば、いおう」

と、忠明は、やむなく、寅之助に破門をいい渡した理由を、その寅之助を立たせておいたまま、一同へも、釈明した。

「卑怯――は武士の最も蔑む行為である。また、兵法の上でも固く誡めておる。卑怯の振舞ある時は破門に処す、というのはこの道場の鉄則であった。――然るに、浜田寅之助は、兄を討たれながらいたずらに日を過ごし、しかも当の佐々木小次郎には、雪辱をなそうともせず、又八とやらいう西瓜売り風情の男を仇とつけ廻し、その者の老母を人質に取って来て、この邸内に押しこめておくなどとは――いやしくも武士のすることといえようか」

「いや、それも、小次郎をこれへ誘き寄せる手段でいたしたのです」

寅之助が、躍起となって、抗弁しかけると、

「さ。それが卑怯と申すものじゃ。小次郎を討たんとするなら、なぜ自身、小次郎の住居へゆくなり、果し状をつけて、堂々と、名乗りかけんか」