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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
三
三
どう思ったのか、丹左は、道をもどり出した。そして、元の草庵の燈をのぞいて、
「沢庵どの。……今お暇した丹左でござるが、この先の林の中に、若い者がふたり、樹から落ちて気を失ったまま仆れておりますが」
――こう告げると、沢庵は、燈影から身を起して来て外へ顔を出した。丹左は言葉を続けて、
「生憎、薬は持たず、この通り眼も不自由なため、水を与えることもできませぬ。近くの郷士の息子どもか、野遊びに来た武家衆の兄弟かとも思われる少年達です。憚りですが一つお救いに行って戴きとうござりますが」
といった。
沢庵は承知して、すぐ草履を穿いた。そして、丘の下に見える茅屋根へ向って、大きな声で誰か呼んだ。
屋根の下から人影が出て、丘の草庵を仰いでいる。そこに住んでいる百姓のおやじであった。沢庵はその影へ向って松明と竹筒の水を用意してすぐ来いと吩咐けた。
その松明の光がここへ上ってくる頃、丹左は、沢庵から道を教えられて――今度は丘の道を下へ降りて行った。で、降りて行く丹左と、上って来る松明とは、坂の途中ですれ交いになった。
もし丹左が、最初に迷って行った道のとおり歩いて行けば、松明の下にわが子の城太郎を見出すことができたに違いなかったのに、江戸へ出る道を訊き直したために、かえって薄縁から薄縁の闇へわれから辿って行ってしまった。