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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

二

「牛込の北条どののお邸へでございますか」

「そうだ。委細、武蔵のこころは書中にある。沢庵どの、安房どのへ、そちからも宜しゅうお伝え申しあげてくれい」

武蔵は、そう告げて、

「そうそう、ついでに伊織より預かりおる品、そちの手から彼へ、戻しておいてほしい」

取出して、書面と共に、権之助の前へさし出した物を見ると、それはいつか伊織から武蔵へ預けた――父の遺物という古い巾着であった。

「先生」

権之助は、不審顔に、膝をすすめ――

「いかなる理でございますか。改まって、伊織からお預かりの品までを、遽かにお返しあるとは」

「誰とも離れて、武蔵はまた、しばらく山へ分け入りたい」

「山ならば山へ、町ならば町の中へ、何処までも、弟子として、伊織も手前もお供いたす所存にござりますが」

「永くとはいわぬ、両三年が間、伊織の身は、そちの手に頼む」

「えっ。……ではまったく、隠遁の御意思で」

「まさか――」

武蔵は笑いながら、膝を解いて、うしろに手をつかえ、

「乳臭いわしが、今から何で――。先にいった大望もある。あれやこれ、慾もこれから。迷いもこれから。――誰が歌か、こういうのがあった」

なかなかに