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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
「伊織のことを、無事にお扱い下さいましたので、主人に代ってそのご挨拶を申すんでございましょう」
「オ。伊織といえば、あれにも話がある。こっちへ呼んでくれい」
「かしこまりました」
庭はさすがに堺町人の数寄をこらしたもの、土蔵一側の隔てだが、店先の暑さや騒ぎは別天地のようだ。泉石も、樹々も打水に濡れ、微かな水のせせらぎが耳を洗う。
数寄屋の一間に、毛氈を敷きのべ、茶菓、煙草をととのえ、火入れには練香をしのばせて、御寮人のお勢と、娘のお鶴は、客を迎えたが、長岡佐渡は、
「この埃まみれに、草鞋がけじゃ。ゆるされい」
とそこに腰のみ掛けて、茶を喫した。
お勢からは、改めて、
「ただ今は、何とも――」
と、雇人たちの無考えな仕方だの伊織についても、詫びやら礼をのべたが、佐渡は、
「いや何。あの子供は仔細あってわしが以前に見かけたことのある者。来合せたのが倖せであった。それよりは、どうして当家の厄介になっておるか、それはまだ伊織からも聞いてはおらぬが……」
と、訊ねた。
御寮人は、大和詣りの途中、ふと見かけて拾って来たわけを話し、佐渡はまた、伊織の師宮本武蔵という者を、年来捜しているところじゃが――などと種々の物語も出て、