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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
三
は、弟子僧ひとり連れず、片田舎の道に行き暮れて、夜の一飯に当惑していたりしているといった風な人だからである。
「岡崎在の、八帖寺へ行って、訊いてごらんなされ。そこへはよく、脚を留められるから」
こう、さる寺で教えられて、ではそこへと、武蔵と又八は、岡崎へ来たが、愚堂和尚はやはりいなかった。けれど、一昨年ぶらりとお姿を見せ、陸奥の戻りにはまた、立ち寄るようなことをいわれていたという話に、
「では、何年でも、お帰りまで待とうではないか」
と、武蔵は町に仮の家をさがして住み、又八は庫裡裏の寝小屋を借りて、共に、和尚の見える日を、もう半年以上も、待ち暮して来たのだった。
三
「小屋の中は、蚊が多くて」
又八は蚊やりを焚きつづけていたが、耐えられない眼をしていった。
「武蔵どの、外へ出ようか。蚊は外にもいるが、少しは……」
と、いう間も、眼をこすっていた。
「うむ、どこでも」
武蔵は先に出た。こうして訪れるたびに、少しでも、又八の心に何か不足を足して行ければ、彼の心もちは済むのだった。
「本堂の前へ行こう」
深夜なので、そこは誰もいなかった。大扉も閉まっている。風もよく通る。