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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

同席して、こう語りあうことすらが、すでに当時の人の観念では破格であった。だが、ここには旗本学者の安房守もいるし、また、野僧の沢庵も、極めて、そういう隔てにはこだわらずにいるので、武蔵も救われた心地で坐っていた。

やがて、杯を持つ。

銚子を酌み交わす。

談笑がわく。

そこには、階級の差もない、年齢のへだてもない。

武蔵は、思うに、これは自分への待遇ではなく、「道」の徳であり、「道」の交わりなるがために、許されているのである。

「そうだ」

沢庵は、何を思い出したか、杯を下におきながら、武蔵へ、

「お通はどうしておるの? ……近頃」

と、ふいに訊ねだした。

その唐突な問いに、武蔵は、ちょっと顔を紅らめ、

「どうしておりますやら、その後はとんと……」

「とんと、知らんのか」

「はい」

「それは不憫。あれも、いつまで知らぬままにはしておけまい。其許としても」

宗矩がふと、

「お通とは、柳生谷の父の許にもいたことのあるあの女子のことか」

と、いう。

「そうじゃ」

沢庵が代って答えると――それならば今、甥の兵庫と共に、国許へ行って、石舟斎の看護をしてくれている筈――と宗矩が話し、