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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

武蔵は深く謝して、

「――では、最初に物陰から鉄砲を撃った者を、打ち殺したのも、其許でござったか」

「いや、私ではありません。――この杖です」

権之助は、諧謔を交じえて、笑いながら、

「彼らが討とうと計っても、余人ならぬ貴方のこと、たいがいのことは拝見しておるところですが、鉄砲を持ち出す者があったので、夜明け前に、ここへ先廻りしていて、鉄砲を持った男の後ろにひそみ、狙いすましたところを後ろから、この杖で打ち殺しました」

――それから二人して、一応そこらの死骸を検めてみると、杖で打ち殺されている者が七名、武蔵が斬った者が五名、杖のほうが多かった。

「非は、こちらにないにせよ、ここは神域、不問ではすまされまい。神領の代官へ、自訴いたそうと思う。――その後のことも問いたし、こちらのことも語りたし、ではあるが、落着いた上として、一先ず観音院まで戻ろう」

だが。――その観音院まで戻らぬうちに、神領代官の役人たちが、谷川橋に屯していたので、武蔵一人、それへ自訴した。役人たちは多少、意外な体だったが、即座に、

「縄を打て」

と部下へ命じた。

(――縄を?)

武蔵は、予期しなかったことに驚いた。