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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
(迷子かしら)
と考えたが、なかなか迷子になるような薄ぼんやりな顔つきではないし、
(何か用でもあるのか)
と待っていれば、どこかに影を潜めてしまって、後から近づいて来る様子がない。
そこで城太郎も、これは油断がならないと思いだし、わざと道のない尾花の叢へかくれて、少年の挙動を窺っていると、ふいに先の姿を見失った伊織は、
「……おやっ?」
と、そこへ来るなり狼狽の眼をせわしなくうごかし、頻りと、城太郎の影をさがしている様子なのである。
城太郎はきのうのように、例の蘇芳染の手拭を頬かむりに顎でしばっていたが、尾花の中からその時すっくと立って、
「小僧」
と、ふいに呼びかけた。
小僧小僧とよく呼ばれたのは、つい四、五年前までの城太郎自身であったが、今は、ひとをそう呼ぶような背丈に彼もなっていた。
「……あっ」
伊織はおどろいて、無意識に逃げかけたが、所詮、逃げ了おせないことを知ったとみえて、
「なんだい?」
平気な顔して――わざと先の方へとことこ歩き出して行った。
「おいおい、何処まで行くんだ。おいチビ、待たないか」
「何か用?」
「用は、そっちにあるんじゃないか。