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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

「そんなてにのるものか」

「ほんとだというのに」

師の武蔵に抱いている日頃の情熱をそのまま示して、城太郎はいきなり伊織の側へ寄り、伊織の肩を抱きよせようとした。

伊織には、信じられない。城太郎が自分の体へ手を廻して、おまえとおれとは兄弟弟子であるといったことばを、すぐ智恵に訴えた伊織は、わるく受け取ってしまって、まだ鞘に納めずにいた刀で、城太郎のわき腹を一突きに突いてしまおうとした。

「あっ、待てったら!」

城太郎は、窮屈な梢のあいだで、危うくその手元をつかんだが、とたんに、樹から手を離して、体の全部で伊織がかかって来たため、伊織の襟くびにしがみついたまま、梢に踏ンばって起ちあがってしまった。

当然、ふたつの体は、双仆れになって、宙から無数の木の葉と梢とを折りちらして、大地へどさッと墜ちて来た。

この場合は、先に城太郎が墜ちた時と違って、ひどく重量と速度をかけて墜落したため、二羽の若鳥は、うーむと、胸を反りあったまま、ふたりとも其処にいつまでも気を失っていた。

ここの雑木林は杉林につづいている。その杉林の断れ目に、いつぞやの暴風雨で壊れたままの、武蔵の草庵はあった。