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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
六
「童っ」
「はいっ」
「不埒な奴だ。この兵庫の肩を躍り越えたな」
「? ……」
「土民の分際で、狎れるにまかせて、不届きな仕方。――直れ。それへ坐れ」
丑之助は、坐った。
そして、何か理は分らないが、謝ろうと手をつかえかけると、その眼の前へ、兵庫はカラリと木剣を捨て、腰の刀を抜いて丑之助の顔へ、突き出していた。
「手討ちにする。噪ぐと、これを浴びせるぞ」
「あっ。おらを」
「首を伸べろ」
「……?」
「兵法者が、第一に重んじるのは礼儀作法である。土百姓の童とはいえ、今の仕方は堪忍ならぬ」
「……じゃあ、おらを、無礼討ちにし召さるというのけい」
「そうだ」
丑之助は、兵庫の顔を、しばらく見つめていたが、観念の体をあらわして、
「……おっ母。おらあお城の土になるそうな。後で嘆かっしゃることだろうが、不孝者を持ったと思って、堪忍してくんなされ」
と、兵庫へつく手を、荒木村の方へついて、さて、静かに、斬られる首をさし伸べた。
六
兵庫はニコと笑んだ。そしてすぐ刀を鞘におさめ、丑之助の背を叩いて、
「よし。よし」
といって宥めた。
「今のはわしの戯れだ。なんでそちのような童を手討ちになどするものか」