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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
二
しているのだろうか?
その不審も、無意識のなかに、手伝っていたにちがいない。
――いつか朧な月が、多宝塔の水煙のあたりにさし昇っていた。行きずりの人でも人恋しい夜頃ではあるし、権之助は、去り難てな心地になって、
「おふた方には、この上の山や崖道を、終日、お掃除なされていた御様子。どなたか、御縁をひくお方の碑でもあるのですか。それとも御遊山のつれづれにでも……?」
と、訊ねてみた。
二
「なんの。なんの」
光悦は頭を振っていう。
「この厳かな聖地で、気まぐれなどと、勿体ない」
相手の権之助が、何も知らずにいったにせよ、その曲解を甚だ畏れるもののように、彼は、徒然の腹ごなしに箒など持っていたのではないことを弁明に努めて、
「あなたは、この金剛寺へは、初めてのお詣でか。そしてこの御山の歴史について、山僧から何もまだお聞きになっていないのか」
権之助は、ありのまま、
――然り。
そんなことの無智は、べつに武辺者の自己の恥辱とも考えず答えると、光悦は、
「では、烏滸な沙汰ですが、私が山僧にかわって聞きかじりの請売りを少しご案内いたしましょうか」
と、四辺を見まわし、
「よいあんばいに、朧な月がさし昇って来ましたから、ここに立ったままでも絵図をさすように、この上の院のお墓、御影堂、観月亭。