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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

「――舞之允。今のは、どうもそち自身の口吻でない所があるぞ。誰の請売りだ」

と、いった。

舞之允は、むきになって、

「いえ、てまえの持論で」

と、いったが、

「だめじゃ。わかる」

と、忠利に観破されて、

「実は――いつぞや、岩間角兵衛どのの、伊皿子のお住居へ招かれた節、同じ議論がわき、居合せた佐々木小次郎と申す、その家の懸り人から聞いたことばでございます。――しかし、てまえの平常の主張と一致しておりますので、てまえの考えとして、申し上げた次第で、他を偽るつもりはございません」

と、白状した。

「それみい」

忠利は、苦笑しつつ、胸のうちで、ふと、藩務の一ツを思い出していた。

それは、かねて、岩間角兵衛から推挙している――佐々木小次郎という人間――を召抱えるか、否か、聞きおいてあるまま、いまだに宿題として、決めかねていたことである。

推薦者の角兵衛は、

(まだ若年ゆえ、二百石を下し置かれれば)

といっているが、問題は禄高ではない。

一人の侍を養うことが、いかに重大か。殊に新参を入れる場合においては、なおさらであることは、呉々も、父の細川三斎からも、彼は教えられていた。