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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

三

――今から癖をつけておかないといけないからね」

「うん」

と、うなずくと、

「うん……もおかしいよ。うんなんていう返辞はありませんよ。はいと仰っしゃい。これからは」

「はい」

「そうそう、お前なかなか良い子だね。お店で辛抱してよく働けば、手代に取立てて上げますよ」

「おばさん家は……あ、そうじゃない、御寮人さまの家は、いったい何屋なの」

「堺の廻船問屋さ」

「廻船問屋って」

「おまえには、分るまいが、船をたくさん持って、中国、四国、九州のお大名方の御用をしたり、荷物を積んで、港々に寄ったりする……商人なのさ」

「なアんだ。――商人か」

伊織は急に、御寮人さまやお嬢様を、下に見るように呟いた。

三

「なアんだ、商人かって? ――。まあこの子は、生意気な口をきいて!」

と娘は、母と顔を見あわせ、そして拾ってやったつもりでいる伊織の小さい体を、少し小憎らしいように見直した。

「ホ、ホ、ホ、ホ、商人といえば餅売りか、そこらの呉服商が、精々みたいに考えているからだよ」

御寮人は、聞き流して、むしろ愛嬌に取っていたが、娘は、堺商人の誇りをもって、一応いって措かなければ気がすまないような容子――