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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
ところが、自分も時折、西瓜を売上げた帰りになど、休みに寄るうち、或る時、娘がそっと囁くことには、
(わたしは、あのお侍が嫌いでならないのに、茶屋の持主は、あのお侍と遊びにゆけと、此店が閉まるとすすめるのです。あなたの家へ隠してくれませんか。女ですから水仕事や綻びを縫うぐらいなことならしますよ)
と、いうので、否む筋合もないから、諜し合せて、自分の家へ、早速、娘を匿ってやっているので――ただそれだけの理由なので――と、又八は頻りとそこのところを繰返して言い訳する。
「おかしいじゃないか」
小次郎は、頷かない。
「なぜですか」
と、又八は、自分の話のどこがおかしいのかと、すこし反抗を見せて、突っこんでゆく。
小次郎は、彼の、惚気とも言い訳ともつかない長文句を、炎天に聞かされて苦笑いも作れず、
「まあいいわ。ともかく貴様の住居へ行って、ゆるゆる聞こう」
すると、又八は足を止めてしまった。ありありと、迷惑そうにその顔つきが断っているのである。
「いけないのか」
「……何しろ、ご案内申すような、家ではないので」
「なあに、かまわぬ」
「でも……」
又八は、謝って、
「この次にして下さい」