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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
又八坊は、歩きかけると直ぐ、戻って来て、
「愚堂さま。愚堂さま」
「おい」
「分りました」
「分ったか」
「ついそこの、眼の前の露地口に、看板の板が打ってございました。――童蒙道場、てならいしなん、無可と」
「ウむ。そこか」
「おとずれてみましょう。愚堂さまには、ここでお待ち下さいますか」
「何。わしも参ろうよ」
おとといの夜、武蔵とあんな話をして別れたので、きのうも今日も、どうしたかと気にかけていた又八に、きょうは大きな歓びが降って来た。
待ちかねていた――二人して蜀を望むように待っていた東寔愚堂和尚が、ふらりと、旅よごれのまま、八帖寺へ見えたのである。
さっそく、又八から、武蔵のことを伝えると、和尚はよく記憶していて、
「会ってやろう。呼んで来い。いや彼ももうひとかどの男。こちらから出向いて行こう」
と、八帖寺では、わずかの休息をしたきりで、直ぐ又八を案内に、町へ下りて来たのだった。
五
亘志摩は、岡崎の本多家の内でも、重臣の列にあることは、分っていた。けれどその人物については、武蔵は、少しも知る所がなかった。
――一体、何で自分を、迎えによこしたのか?
それについても、彼には思い寄りもなかった。