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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
武士道の廃りを示しては、わし独りの恥ではない。世人の心を堕落させる」
「でも先生、生命を愛しめと、わたくしへ教えたでしょう」
「そうだったな。――しかし、そちに武蔵が教えたことは、皆、わしの短所ばかり。自分の悪い所、出来ない所。至らないで悔いていることばかりを――そちには、そうあって貰いたくないために教えておるのだ。武蔵が船島の土になったら、なおさらわしをよい手本に、よしないことに生命は捨てるなよ」
果てしない心地に、彼自身も囚われそうに覚えたので、伊織の顔を強いて、胸から押しのけ、
「お取次へも頼み上げておいたが、佐渡様がお帰りになったら、くれぐれも、よろしくお伝えを頼むぞ。いずれ、船島で御拝姿申すとな」
門の方へ、辞し去ろうとすると、伊織は師の笠をつかまえて、
「先生っ……。先生」
――何もいえない。
ただ俯むいて、片手に師の笠を離さず、片手を曲げて顔から離さず、じっと、いつまでも、肩をふるわせていた。
すると、横の中門の木戸が、少し開いて、
「宮本先生でござりますか。てまえは、当家の若党、縫殿介と申しまするが、伊織どのが、お別れを惜しむ様子。無理ならぬ気がいたしまする。