輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
「…………」
門人達は、師が、何をいおうとしているのか、まだその意が酌めなかった。
で、粛とはしているが、その面には、不平だの、疑惑だの、思い思いな感情がまだ動いていた。
「思うに」
忠明は、そこから遽に声を張って、今までの伏し目な眼を、大きく見ひらいた。
「――これは誰にもある人間の通有性だ。安息に伴うてくる初老の兆しだ。この間に、時代は移ってゆく。後輩は先輩を乗りこえてゆく。若い、次の者が新しい道を拓り開いてゆく。――それでいいのだ。世の中は転変の間に進んでいるから。――だが、剣法では、それを許さぬ。老いのない道が剣の道でなければならぬ」
「…………」
「たとえば、伊藤弥五郎先生。今はもう、生きて在すや否や、その御消息だにないが、小金ヶ原でわしが善鬼を斬った折、即座に、一刀流の印授をこの身にゆるし給い、入道して、そのまま山へはいられてしまわれた。そしてなお、剣、禅、生、死、の道を探って、大悟の峰に、分け登ろうと遊ばすお口吻が見えた。――それにひきかえて、この治郎右衛門忠明は、早くも、老いの兆しを現し、きょうのような敗れをとったこと、師弥五郎先生に対しても、なんの顔があろうか。