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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
ひとりは上品な尼とも見える年とった婦人。
またひとりは、肉づき豊かな五十がらみの人物で、つつましき木綿着物に、袖無羽織を着、小桜の革足袋に新しい藁草履をはき、鮫柄の小脇差を一つ横たえて、武士とも町人ともみえず、ただ何処やら床しげな風格のある人が、竹箒を持って――ふと、腰をのばして立っている。
老尼のほうは、白練の絹の頭巾をかぶり、これも竹箒を手にして、
「……ほ。少しはきれいになったかのう」
と、掃いて来た山道や崖の其処此処を見まわしているらしい。
そこらは滅多に人も踏み入らなければ、かまう者もないとみえ、冬中の雪折れやら朽葉やらまた、鳥の空骸やらが、農家の堆肥のように春とも見えず腐り積っているのであった。
「お母さん、だいぶおくたびれでしょう。陽が暮れましたし、あとは私がやりますから、もうお休みなされませ」
肥えた人のほうがいう。
老尼は、五十にも近いその者の母とみえるが、息子のことばをかえって笑って、
「わしは家にいても、働きつけておるせいか、つかれもせぬが、そなたこそ肥えてはいやるし、このようなことはしつけぬゆえ、土に手が荒れたであろう」
「はい。