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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
「ほほウ……」
「おそらくは、巷の風説。俗衆の臆測でございましょう。――しかし、衆口は怖ろしい。一介の牢人の身には、障る所もござりませぬが、藩政に御関与なさるる長岡様、岩間様には、寸毫でも、左様な疑いを領民に抱かせてはなりませぬ」
「いやあ、なるほどの!」
老人達は、大きく答えて、
「それで、御身には、御家老のお邸へ、わらじを解くことを、憚って参られたのか」
「いや、それは理窟で」
武蔵は、微笑に打消し、
「実のところは、生来の野人、気ままにおりたいのでござる」
「お心もち、よく相分った。深く思えば、満ざら、火のない煙ではないかも知れぬ。われらには覚えなくとも」
武蔵の深慮に人々は感じた。しかし、このまま立ち別れるのも残念と、一同は額をよせて何やら話しあっていたが、やがて木南加賀四郎が、一同に代って、次のような希望を述べた。
「――実は毎年、きょうの四月十一日には、吾々どもの寄りあう会合がござって、十年来、欠かしたこともないのでござる。それには、同郷六名と、人数も限り、人を招かぬ会でござるが、貴殿なれば、同じ国者、わけてお父上無二斎殿の御親友もここにはおるので、よかろうではないかと、ただ今、評議したのでござるが、ご迷惑は察し入るが、その方の席へでも、お越し下さるまいか。