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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

その丘ふところの平地から磯へかけて、きょうの試合場と定められていた。

奉行以下、足軽までの者は、磯からかなり距った所に、樹から樹へ、幕を繞らし、鳴りをひそめていた。巌流は藩籍に在る者であり、武蔵は拠る所ない者なので、それが相手方への威嚇にならない程度には、心して控えている陣容だった。

しかし約束の時刻が、もう一刻以上も過ぎていること。

二度も、ここからの飛脚舟で催促をやってあることなどで、静粛なうちにも、やや焦躁と反感とを一様に抱いていた所である。

「武蔵どの! 見えましたっ」

絶叫しながら、磯に立って見ていた藩士が、遠い床几と幕の見える方へ駈けて行った。

四

「――来たか」

岩間角兵衛は、思わずいって、床几から伸び上がった。

彼は、きょうの立会人として、長岡佐渡と共に、派遣されて来た役人ではあるが、彼がきょうの武蔵を相手とする人間ではない。

しかし、口走った感情は、自然の流露であった。

彼のわきに控えていた従者や下役の者も、皆、同じ眼色を持って、

「お! あの小舟だ」

と、一緒に起ち上がった。

角兵衛は、公平なる藩役人の身として、すぐその非に気づいたらしく、